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兄・浪川大志が死んだ。パリにいた俺は勿論、両親すら死に立ち会えなかった、何故なら、心中したから… もうすぐ飛行機は、懐かしい日本にたどり着く。その間、ずっと考えていた。大志が心中なんて…らしくない。 予定より少し遅れたが、ロビーには姉貴の旦那・杉崎雅也さんが俺を待っていた。 「よぉ…。」 「うん…。」 およそ二年ぶりの再会。でも気の効いた挨拶が出来る気分じゃない。 ただ合図だけして、雅也さんの車に乗り込んだ。
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