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会場に入ると白木の棺があり、そこに白い布を被った大志がいた。
傍らには、憔悴し切ったお袋と姉貴。
親父は、通夜に来てくれた人達の対応に追われてた。
布を取ると、青白い大志が眠ってる。
「…なぁ。何してんの?俺の個展やるって言ってたじゃん。予定教えてよ…大志。寝てないで、答えろよ。なぁ…大志!!」
「光孝、やめろ。わかったから…。」
いつもみたいに『うるせぇな。寝てんの!てか、眠いの!わかれよ!!』って怒鳴られた方がまだマシだ。もう冷たい大志に、現実なんだと言われてる気がした。
「光孝…。お姉ちゃん…、わかんないよ。」
「姉貴…。」
姉貴が小さく見える。いつも憎まれ口ばかりの姉貴が泣いてる。暫く、肩を抱き合って泣いた。
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