プロローグ(理想)

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「お兄ちゃん、起きて」 誰かの声がする。でも俺はまだ眠い。あと地球が太陽の周りを一周するまでは寝かせていただく。 「お兄ちゃんー。もう、いっつも起きないんだから。学校遅れちゃうよー。むー、怒った」 ふ、怒りたいやつには怒らせておくのが大人のルール。ジェントルマン須藤蘭(すどうらん)はもう一度眠りにつくことにする。 が、しかし。首の周りがむずむずする。そしてなんだか気持ちいい。あっ、そこは駄目え! 「恵!起きるからもうやめてくれ。朝からむらむらしてしまう」 首のむずむずの元凶、我が愛しのエンジェルこと、須藤恵(すどうめぐみ)が俺の上に乗って首を舌で愛撫していたので注意した。 恵は現在同じ学園の1年生なのだが、小さい頃からの俺のしつけにより、従順なブラコンに育っている。 「だってお兄ちゃん起きてくれないんだもん」 すこしツンとした様子でいう恵も可愛い! 素敵な兄というのは罪だな、ということで、妹に謝りつつ、のっそりと起きる。 これが俺の平凡な日常。
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