Exceed God For Alive-神をも越えるデスゲーム-

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驚いたことに、この状況でいち早く動いたのはユリさんだった。 俺よりも僅かに速く人ごみを掻き分け、女の子のところへ走り寄る。 「とりあえず、お姉さんと一緒に手近な店に避難しましょう」 ユリさんはそのまま有無を言わせずに女の子の手を引く。 「えっ!?ち、ちょっと待って!やだ!!」 女の子はユリさんの手を振りほどこうとする。 「離してっ!離してよっ!!」 俺はその女の子の側まで行くと、彼女の肩をそっと掴んで言う。 「いいか?あの怪物みてぇな蜂に刺されたくなけりゃ、近くの店まで俺達と走れ」 「でも…」 「ここは危険なのよ」 「うぅ…」 そんなことを言う間に蜂の群れは街中を襲い始めた。 「行くよ!早く!!」 女の子はそれでも動こうとしない。 そして、女の子は小さな声で言った。 「…お兄ちゃん…は?」 街中の人が蜂達によって殺される中で、この声ははっきりと聞こえた。 それは、きっとさっきの男の子のことだろう。 「…………っ。……大丈夫。…連れて行くよ」 俺の言葉に、ユリさんが驚く。 「えっ!?でも、あの子はもう…」 「俺が時間を稼ぎますから、この子達を頼みます!」 言うが早いか、俺は駆け出していた。
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