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人格者で我慢強く、なによりこの世界の善意を全て集めても敵わないほど優しい心を持つ僕だけど我慢の限界だった。
・・・・・・さっき言った事に異議がある奴は一度人生を考え直す事をおすすめさせていただくとしよう。
「そういえば兄貴、これ返すわ」
そう言って俺はこの前、兄貴の部屋で拝借したものを机のど真ん中に置いた。
「な、なんでお前がこれを!?」
「ゆ、優樹・・・・・・これって・・・・・・」
俺が机に置いたもの、それは・・・・・・
兄貴の秘蔵のエロDVD。
「(無修正)素人娘 中○し・・・(以下自重」
なぜ今、これを持っているかは聞かない約束でお願いしたい。
注意しておくが決して最初からこうするつもりだった訳ではない。突発的な事故だったのだと主張させていただく。
「真琴!なんでお前がこれを持ってんだよ!?」
おぉー
兄貴めちゃめちゃ動揺してるぞー?
なんでだろー?
「あの腰使いは明らかに素人じゃなかったな?まぁ内容はよかったけど」
「質問に答えろ!」
やれやれ冗談の通じない奴だ。
「ろくな大人にならないぞ」と言おうと思ったけど俺に言われる筋合いは無いので自重した。
「兄貴の部屋から拝借した♪」
「だからそれがおかしいって言ってんだよ!あれは小型の金庫に入れて六法全書の厚紙のカバーに隠して大事に隠していたんだぞ!?」
「うん、ムッツリ過ぎて軽く引いた。高木さんも若干引いてるぞ?
大体兄貴が考えそうな事なんて俺にはすぐにわかる。兄貴は嘘が苦手過ぎる!だからぷよぷよで俺に勝てねぇんだ!」
「ぷよぷよは置いといて・・・・・・
じゃあ金庫は!?あんな丈夫な金庫を開けれる訳がねぇだろ!?」
「兄貴・・・・・・何を言っているんだ?
金庫は開くから金庫なんだぜ?」
「いや、当たってるけど!でも違う!言ってる事正しいけど!でも違う!」
「まぁそんな事は放っといて・・・・・・」
「いや!放るなよ!?重要な問だ・・・・・・」
「あとこれ二本あるけどどうする?」
「・・・・・・」
兄貴が「問だ・・・」の時の表情のまま固り、冷や汗を流し始めた。
情けない表情だな。
このまま凍らせて部屋に飾りたいくらいだ。
・・・・・・本気にするなよ?
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