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「全部公開しちゃおっかな~」
ちなみにする気なんて一切無い。
コイツは持っているだけで脅迫でき、いざというときには取引材料にできる。
こんなにいい焦らし材料をそう簡単に手放すほどバカではない。
しかし無駄に正直者で人の言うことをすぐに信じる我が兄は、俺の言ったことを真に受けて「くっ!」と躊躇しうつ向いた。
しかし、すぐに何かを思いついた表情をして顔を上げた。
「ちょっとトイレ行ってくる!」
そう言って兄貴はリビングを急いで出ていった。
何かをする気なのが丸わかりだ。
感情がすぐに表情に出る癖を治すよう忠告したいものだ。
・・・・・・まぁ弱点減るから口が裂けても言わないけど。
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「あんた本当に最低ね」
俺に『何を今更?』な事言ってきたのは、わたくし共の幼なじみの高木さん(下の名前で呼んだら怒るし呼ぶ気も無いので他人行儀)。
その目線はこれでもかっていうくらい純度の高い軽蔑、侮蔑の目線。
悟郎(変態ドM)が食らったら喜び過ぎて発狂しそうだ。
・・・・・・見てみたいけど見たら蹴り飛ばしそう。
「なにが?」
正直どうでもいいので此方もこれでもかという位の生返事。
同じ強さの力がぶつかり合い相殺された!
・・・・・・と、軽い冗談を言ってみたり。
「人の弱みにつけこんで脅して!
なんでそんな最低な事ができるの!?」
あっ・・・・・・怒った。
なぜそんな事ができるか?
質問の答えは「性癖です♪」だがそれを言ったら泥沼化する事はわかっている。
無駄に時間を使う気が無いので軽くスルーして俺はDVDの『トムとジェリー』を再生。
子供っぽいと言われるかもだが面白いんだから仕方がない。
ギャーギャー騒ぐ幼なじみ殿を軽くスルーして『トムとジェリー』を鑑賞。
「聞いてるの!?」
聞いてるよ?
悟郎(Sにもなれる。ある意味無敵)の語る失恋話と同じくらい真剣に。
まぁこれも口にはしなかったけど。
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