イチャつくのは家に男が主人公ひとりだけの時にしろ!

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  説教を軽く受け流してテレビを見ているとトムがネズミ取りでジェリーを捕まえるシーンに入った。 「なぁなぁ?ネズミ取りって実はスゲー威力なの知ってた?」 「なんでさっきの質問でその返しが来るわけ!?ちゃんと話聞いてたの!?」 おっと、質問されてたみたいだ。 全然聞いてなかったから内容がわからん。 とりあえず相手が満足するだろう返事をしておこう。 「よ~く聞いてたよ。自分がどれだけ最低な人間なのか自覚した。これからは真っ当に生きたいと思う」 前半は真実で後半は嘘。 『真っ当に生きたい』だなんてよくもまぁそんな白々しい事よく言えたな俺。 「そう!?わかればいいのよ!」 高木さんのやりきった感のある満足そうな表情を見て全く罪悪感の沸かない自分が軽く悲しい。 「それでどれくらいの威力があるの?」 ん?あぁ・・・・・・ネズミ取りの話か。 いつもよりフレンドリーで一瞬動揺した。 「ん~軽く人間の指の骨折るくらい」 「へ~そんなに~」 なるほど~ という感じに相槌を取る高木さん。 正直、興味なさそう。 嘘が得意な人間は嘘を見破るのも得意なものなのだ。 でも俺はネズミ取りの話を続けた。 「なぁ?欲しいもの、例えばチーズとかに誘き寄せられて身を傷つけるなんて愚の骨頂だと思わないか?」 「そうね」 「それは人間も同じだよな?」 「そうね」 「じゃあ引っかかるやつが奴が悪いよな?」 「そう《あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!》・・・・・・な、なに?」 そろそろだと思った! 俺たちは急いで(本気度は違うけど)声のした方に走り出した。  
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