俺だって病人にくらいは優しい

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  《ガチャ》 「遅くなってすみません」 「遅すぎです・・・・・・ゴホッ」 襲撃を受け、カス共を粛正した後、 俺は瑠奈の家に見舞いにやって来た。 「ねぇ?なんで入ってきてるの?」 「病人起こすのもあれだなーって勝手に上がらせていただきました」 「家、鍵しまってたよね!?普通に考えて入って来れるわけないよね!?」 「んで?大丈夫か?」 「そこどうでもいいの!? いや、よくないよ!・・・・・・ゴホッ」 ほら言わんこっちゃない。 興奮させたのは自分だという事実は バベルの塔の上に置かせてもらう。 ・・・・・・やってやったぜ。 「MACKTです」 実はこのフレーズ かなり気に入ってたりする。 「あっ、GACKTのつもりで言ってる? でも真琴はGACKTほどはカッコよくないから ナルシストっぽくなるからやめといた方がいいと思うよ?」 無邪気なその笑顔がツラい。 「あっ!でもコロッケさんもやってたわけだし、別にいいかもしれない! ・・・・・・うん!きっといいと思う!」 落ち込んだ俺を見て瑠奈が言った言葉。 お前は慰めたつもりかもしれないが、 こっちは傷口に硫酸かけられた気分だ。 「それに真琴って普通にカッコいいし! 絶対に性格がよかったらモテるもん! みんな言ってるよ? 『あれで性格よかったら』・・・・・・って」 お前は今俺に、 性格悪くてモテないと言ったぞ。 ・・・・・・否定できないのがツラい。 ・・・・・・そして瑠奈にカッコいいと言われて正直スゲー喜んでる自分がくやしい。  
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