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それから数日・・・・・・
瑠奈は『一切』話しかけてくれなかった。
・・・・・・大切な事なので強調した。
俺は休み時間もずっと瑠奈を追いかけ続けたが完全にスルー。
大概、俺を見ると走り去った。
瑠奈、足が速い速い。
全く追いつけない。
むしろ離れていく。
しかし毎日のように追いかけ続けたので、無駄に持久力がつき始めた。
そのため無視される時間が長くなるという負のスパイラルが発生し、心が折れそうになった。
家の前で待ち伏せもした。
ちなみに前に侵入した時は、帰りに病院帰りの瑠奈を見つけたからあとをつけてこっそり入っただけだ。
しかしそれでも無視して家に入ろうとするから肩を掴んで止めた。
しかし合気道でいなされ、
壁に俺のセカンドキスを奪われた。
走りで負け、格闘でも負け、男のプライドは一時間ミキサーされたのと同じくらい、ぐちゃぐちゃになった。
悟郎の「同士よ」という言葉と、
龍の「や~い、フラれてやんの~」という言葉に何も言い返せなくて死にたくなった。
・・・・・・今回は本気で。
あっ、言っておくがサルに知識を与えるのはしっかりやっておいた。
ここでやめるのは本末転倒だしな。
テストが終わった後、
サルは俺のところにやって来て
「アンタのお陰でかなりいい点が取れたと思うわ。感謝はしておくわ。ありがと」
と、高飛車な態度で言いやがった。
日頃のイライラも込めて、
ジャーマンスープレックスで返事した。
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