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《9日前》
「優樹さん?来週の土曜日から海に行きませんか?」
「・・・・・・海?」
終業式が終わり、みんながこれから始まる夏休みに期待を膨らませて家に帰える中、浮気社長の娘さんが兄貴を海に誘っていらっしゃいやがる。
「土曜日『から』って事は泊まり?」
「はい、そうなりますわ。
うちの別荘に2泊3日で私たちの愛を・・・・・・」
残念ながら2泊3日辺りで
兄貴は他の『騒音』を
完全にシャットアウトしていた。
そしてその言葉を聞いた兄貴は
ブルブルと震え始めた。
・・・・・・当然だ、俺も動揺を隠せない。
「やったぜ真琴!海だぁぁぁぁ!」
「やっべ!初めてだ!スゲー楽しみ!」
俺たち兄弟は海に行った事がない。
理由はお袋が
「日焼けするからイヤ」と
子どもの夢をぶっ壊す発言をして
連れていってくれなかったから。
幼稚園児の俺たちには物凄い衝撃だった。
・・・・・・『あの頃は自分殺して人に合わせるようにしてたな~』と回想。
「ちょっと!
私は優樹さんしか誘ってませんわ!」
また食らいついてくる浮気(以下省略。
無駄だってわからないのやら?
『学ばない人間はただのサル』
・・・・・・・・・・・・真琴辞書より抜粋。
(類義語)
『使えない人間はただの生ゴミ』
「いや、悪いけど俺、
真琴来ないと行かないし」
そう言って俺に
後ろから抱きついてくる兄貴。
・・・・・・気持ち悪い事この上ない。
とりあえず耳に手を当てて、「あっ!!」っと大声を出して退散して頂いた。
兄貴は耳を押さえて机にもたれ掛かった。
俺がそのケツを蹴ったら歯をぶつけて苦しんでいた。
「俺はなるべくいっぱい人間が来ないと行きたくないな~」
ラバーズ共はあんまり好きじゃねぇが、
兄貴をしばく理由になるので我慢しよう。
調子乗ったら海に沈めりゃいい話だしね♪
・・・・・・その瞬間を想像してちょっと興奮しちゃったのはひ・み・つ。
『ひひひ』で『ひ・み・つ(ひ3つ)』
あとは、Mと野球とロリコンと瑠奈を連れて行こう。
・・・・・・こいつらは俺が呼びたいだけ。
「あーっ!わかりましたわ!
全員呼べばいいじゃないですか!」
・・・・・・物わかりがよくてよろしい♪
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