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瑠奈が涙目でこっちを見る。
その表情は人を殺せるぞ。
現に龍は吐血してぶっ倒れた。
・・・・・・『優しく』踏み潰したら目を覚ましたけど。
気持ちはわかる。
瑠奈はラバーズとまぁまぁ仲がいい。
しかし、だからこそ逆に話がなくなったりした時の気まずさが半端ない。
・・・・・・その空気を楽しめる俺はイカれているのだと最近知った。
「まぁ頑張れ」
「投げやり!?」
「2%位は反省と後悔してる」
「少なくない!?」
「・・・・・・ホント、録画予約忘れるとかありえねぇよ」
「しかも後悔ってそれ!?」
残念ながらあとの98%は
海に対しての渇望で占めている。
「くそ・・・・・・ガキ使・・・・・・」
「あっ、私予約してるよ?」
「マジで?助かる。これでなんの未練もなくなった」
「えぇ!?」
瑠奈がまた涙目になった。
瑠奈をぎゅっと抱き締めたい衝動を
悟郎の首をぎゅっと締め、
兄貴の頭を六法全書の角で殴って相殺した。
「とまぁ冗談3%位の話はやめにして」
「聞き捨てならないパーセンテージだけどここはグッと堪える」
「ファイト♪」
「また適当!?」
いや~、瑠奈をいじるのは
悟郎をいじるのとは別の楽しさがあるな。
さて、時間を確認したら
電車が来るまであと15分程度。
名残惜しいがそろそろ話を切るか。
「まぁ、向こうで目一杯遊ぼうな?」
頭を撫でながら言ってやる。
「・・・・・・5時間は時間貰うからね?」
「タイムサービスで6時間以上差し上げます」
「タイムサービスの使い方違うけど・・・・・・
でも喜んでいただきます」
瑠奈が俺に微笑んだ。
・・・・・・やっぱこの表情が一番だ。
「それじゃあ、そろそろ電車来るだろうから別れるとしよう」
会話が終わったのを見て信也が言った。
流石は空気を読めるイケメン王子。
性癖さえまともだったら完璧だ。
「優樹~!またあとでね!」
「優樹、またあとで会おう」
「・・・・・・・・・・・・じゃぁね優樹」
「またあとで。・・・・・・・・・別に会いたいわけではないけど!」
「また会いましょう優樹さん」
・・・・・・今回はラバーズを責めれなかった。
俺たちはみんなに軽く手を振って駅を出た。
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