金持ちの凄い所は「今」でなく、今に至るまでの「過程」

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  金持ちは何故庭を広くするんだろう? 門から家まで歩いていると浮かんだ疑問だ。 ・・・・・・矛盾の逸話を実際にやってみたら どうなるか程は興味はなかったけど。 「なぁ、会長殿?」 と会長の横に並んで話しかける。 「ん?なに?」 それに反応した会長はこちらを振り向いた。 風でドレスが揺れる。 髪が吹き上がる。 その姿は本当にキレイで…… 俺は……見惚れてしまった。 ……なんでもない。なんとも思ってない。 なんとも思っている訳がないじゃないか いや、本当だからな?言っとくけど? ……誰にとは聞かないのがお約束。 「ん?どうしたの?」 会長が俺に問いかける。 俺はとっさに喋ろうとしたが、 なにを話そうとしていたか思い出すのに 数秒の時間を要してしまった。 「……あっ、いや、俺っていつ頃から生徒会室に遊びに行くようになったっけ?」 うん、動揺などしていない。 そもそも一周回って避けられている会長に話しかける俺の優しさは国を挙げて表彰すべきだと思う。いら、本当に。うん。 ・・・・・・ついで言うと決して何かを狙っている訳ではない。 「瑠奈って呼ばないと答えな~い」 そう言ってぷいっと顔を背ける様を見た人間は人によっちゃ発狂するだろう。 「うひょひょひょひょひょ~!」 あれ(悟郎)みたいに。 「心の中ではちゃんと呼んでますから」 「ならよろしい♪」 「あっ、いいんだ・・・・・・」 なんかスゲー調子狂う。 こういうタイプの人間は苦手だ。 「私の記憶では第一回目の会議の時点でいたと思うけど?」 「あ~そうだったっけ?」 「いや、あれは真琴が授業中に教室に蛇をばら蒔いたから生徒指導で呼ばれただけだったと思うぞ?」 兄貴も話に入ってきた。 「そうそう!そうだったね!真琴くんの言い訳が上手すぎてすごく笑ったの思い出した!じゃあ一回目っていつだろう?」 「あ~確か~・・・・・・」 うまい具合に二人の話が盛り上がり始めたので、俺は気付かれないようにその場を抜け出し、少し後ろを離れて歩いているラバーズの方に向かった。
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