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「・・・・・・」
無言で驚く俺。
瑠奈はさらに言葉を続けた。
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「私はね・・・・・・
親から毎日、「期待してる」ってプレッシャーをかけられて・・・・・・
クラスの皆は私から一歩引いてて友達も全然できなくて・・・・・・
先生にはどんなに頑張っても
「できて当然」としか思ってもらえなくて・・・・・・
いくら頑張っても
その頑張りを誰も認めてくれない・・・・・・
むしろ遠ざかって行く・・・・・・
なんにも楽しい事なんかない・・・・・・
生きてる事がもう苦痛だった・・・・・・」
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瑠奈の表情に陰が見えた。
どこか無理をしている初めてみる表情。
明るく無邪気な瑠奈の
心の闇を垣間見た気がした。
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「回りに煽られてほとんど無理矢理入れられた生徒会。
しかも生徒会長っていう役職。
でも私は何かを変えたくて・・・・・・
だからこれを機に
ここから変えてやろうって思った。
変わってやろうって思った。
初めての会議の前の日の夜、
私はとにかく生徒全員に役員の事を知って貰いたいって思って、役員全員の役職と名前の入ったバッチを作ったの・・・・・・
厚紙に色鉛筆で字と絵を書いて後ろからピンをセロテープで引っ付けただけの簡単な物だったけど・・・・・・それでも一生懸命作ったの・・・・・・
次の日の初めての会議で私はそのバッチを役員全員に配ろうとした・・・・・・
でもみんな嫌そうな顔をした・・・・・・
当たり前だよね・・・・・・
恥ずかしいもん・・・・・・
でもその時、
たまたまその場に居合わせた
真琴くんだけは、こう言ってくれたの・・・・・
『へ~っ、頑張ってんじゃん生徒会長』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・って。
嬉しかったな~。
たった一言だったけど・・・・・・
それでも私は救われたの。
バッチは結局、
着けない事になっちゃったけど、
でもまた頑張ろうって思えたの・・・・・・」
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