お前に負けるなんてありえねぇ!

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  「バカなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 頭を抱えて叫び回る悟郎。 ・・・・・・えっ?勝ったの俺だけど? しかしあれだな。 負けた時は死ぬほど悔しかったのに、 勝ってもなにも嬉しくない。 悟郎は下にいて当然だという事か。 ・ ・ ・ あっ、そうだ。瑠奈に報告しないとな。 俺はケータイを取り出し、 瑠奈に電話をかけた。 瑠奈はすぐに電話に出た。 「もしもし?今ヒマある?」 『うん。生徒会室で一人で本読んでるだけだから大丈夫』 瑠奈は月水金しか生徒会は活動しないのに 毎日、放課後は生徒会室にいる。 ・・・・・・誰か困っている人間が来るかも知れないからだとか・・・・・・ 「だらだら用件を引き延ばすのは嫌いなのでさっさと用件言わせてもらうと、お陰様で悟郎に勝てました」 『あっ!勝てたんだ!よかったね! ずっと頑張って勉強してたもんね?』 「まぁな」 1日に最低5時間は勉強した。 頑張った方だろ? 神のように誉めろ崇めろ。 ・・・・・・受験生の大半が神になる瞬間が来た。 『・・・・・・・・・・・・ねぇ?』 「ん?」 『・・・・・・・・・勝った時の約束は『今を全力で生きてますから』を忘れるっていう感じだったよね?』 「あぁ」 ・・・・・・とっとと忘れろ。 「・・・・・・・・・・・・じゃあ・・・・・・もう下の名前で呼び会うのは終わりってこと?」 ・・・・・・・・・・・・ 「そうなるな」 『・・・・・・・・・・・・そう』 これは思ってもなかった副産物だな。 これで俺は自分を見失う事も、名前呼ぶ時、変な緊張する必要も無くなる訳だ。 願ってもない素晴らしい結果だ。 「まぁ昔に戻るだけだ、ちょいちょい兄貴にちょっかいかけに来るから普通に会うし」 『・・・・・・うん・・・・・・』 「まぁ助かった。それなりに楽しかった。今までありがと、『会長』」 『・・・・・・私も楽しかった! 本当にありがとうね? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『真琴くん』』 そこで瑠奈は電話を切った。 なんだ?スカッとすると思ったのに・・・・・・ ・・・・・・イライラする。  
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