最終決戦

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「わ……私……怖かった…… 岡崎……君に嫌われたかと……思って…… 本当に怖かった……」 「平沢さん……」 平沢さんは嗚咽混じりにそう言う。 「楽しかった……岡崎君と過ごした時間……本当に楽しかった…… でももう戻れないと思って……辛かった…… 怖かったよぉ……」 「ひ、平沢さん……」 僕も平沢さんの事で悩んでいた辛い時の事を思い出し、涙が出て来る。 僕は再度平沢さんを抱き締める。 「岡崎君……やっぱり岡崎君の腕の中は落ち着きます…… 数えられるくらいしか無いけど、岡崎君に抱き締められたら心が暖かくなります……」 「平沢さん……ありがとう……」 「お礼を言うのは私の方です……こんな私を好きだなんて言ってくれて…… ……ねぇ、岡崎君……? 少しだけ……聞いてくれますか?」 「うん……」 平沢さんは潤んだ目で僕を見上げてくる。 頬は上気し、恥ずかしそうながら真剣な顔をしている。 僕はそんな平沢さんを見つめる。 「私……」 「……」 「私……積極的じゃなくて、ちょっと頼りないけど…… 優しくて格好良くて私にとって大切な人…… ……私そんな岡崎君が…… あなたの事が大好きです……! 岡崎君、ずっと一緒にいて下さい……!」 平沢さんの告白は僕の今までの不安をかき消し、かわりに嬉しさで一杯になった。 「平沢さん……僕も……平沢さんと一緒にいたい……平沢さん、大好きだ!」 僕は今まで一番強く、でも優しく平沢さんを抱き締めた。 平沢さんはそれに応えるかのように強く抱き付いてくる。 心臓が高鳴りドキドキし、凄く恥ずかしい。 けどそれ以上に幸せで…… 時間も忘れて平沢さんを包み込んでいた。
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