いつもの

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「りょうー!」 ヘッドフォンをつけてギターを弾いている諒に聞こえるように少し大きな声で呼ぶ。 「私コンビニ行くけど欲しいものある?」 「んー、アイスー」 ヘッドフォンは外したものの、未だギターを弄ったまま答える諒。 「はいはい、アイスね、いつものでいいの?」 反応がない諒の背中を足先でつつくと頷いたから、勝手に了解してコートを取りに立ち上がる。 「あゆー、やっぱ俺も行くー」 「えー、一人でいいよ、あんたスエットだし」 スエットの上からジャンパーを羽織る諒をジトーっと見ているとニヤっと笑いやがった。 「だって歩子さん、いつも間違えるじゃん。いつものアイスがいつも違うやつだもんねー」 くそ、その笑顔が好きなんだよ畜生 「ほら、行くよ」 差し出された手を取って、部屋を出た。 .
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