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アイスが心配とか言って付いてきたくせに、コンビニに着いたとたん雑誌コーナーに直行の諒。
「りょー、結局アイス何にすんのさ」
「なんでもいー、あゆ選んどいて」
雑誌から目をはなさずに答えが返ってくる。
ちょっと後ろから覗いたら諒が好きだって言ってた美咲ってアイドルのグラビアだった。
”いつもの”アイスと自分のプリンをさっさと会計し終えて諒をしばらく観察。
無気力そうな背中が好きなんだよなー…
「諒、美咲ちゃんにお別れして帰るよー。」
はいはい、ってコンビニの袋を私から奪って寒い寒いって空を見上げてた。
「ねえねえ、結局あんた何しに付いてきたのよ。」
わかってるけどね、私が心配だったんでしょ。
「そりゃあ、美咲ちゃんに会うためですよ。」
ちょっと悔しそうに言う諒についニヤニヤしてしまう。
「じゃあさ、美咲ちゃんと私どっちが好き?」
「そりゃ、もちろん歩子さんですよ。」
思いがけない即答に顔が真っ赤になるのが自分で分かった。
「自分で聞いといてなに赤くなってんの、アホだなー。」
私をニヤニヤしながら見る諒を軽く殴ってやった。
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