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いつかおねえちゃんが言ってた
‘ヒトはね誰かを愛するために
うまれるの’
って
ひとつの火が消えかかってる…
‘あいする…?’
‘そうね、もう少し大きくなったらわかるわ。お姫様’
そういって頭をなでて、抱きしめてくれた
おねえちゃんは綺麗でかわいくて、でもどこか儚くて。
いつも薄いヴェールをまとって、一番近いのにどうしようもなく遠い、存在。
本当はいっしょに生まれてきた、双子なのに。
私より数分間早く生まれてきたおねえちゃんは、私よりずっと大人だった。
ずっとずっと…
その優しさにずっと触れていたかった。
抱かれていたかった。
永遠に…
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