プロローグ

2/2
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/113ページ
いつかおねえちゃんが言ってた ‘ヒトはね誰かを愛するために          うまれるの’ って ひとつの火が消えかかってる… ‘あいする…?’ ‘そうね、もう少し大きくなったらわかるわ。お姫様’ そういって頭をなでて、抱きしめてくれた おねえちゃんは綺麗でかわいくて、でもどこか儚くて。 いつも薄いヴェールをまとって、一番近いのにどうしようもなく遠い、存在。 本当はいっしょに生まれてきた、双子なのに。 私より数分間早く生まれてきたおねえちゃんは、私よりずっと大人だった。 ずっとずっと… その優しさにずっと触れていたかった。 抱かれていたかった。 永遠に…
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!