来客者

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「君、誰?」 僕は目の前にいる高校生ぐらいの女に疑問をぶつけた 「誰って、君のお母さんだよ?」 「僕の母はそんなに若くないし、6年前に他界した」 「えっ、そうなんだ。ごめんね、悲しい事思い出させて」 「大丈夫。それより、君は誰なの?」 「覚えてないの?昔よく遊んだのに‥‥」 よく遊んだ?昔?全く憶えてない 第一、こんな綺麗な女と遊んだら絶対に憶えているはずだ‥‥‥ダメだ、全然出て来ない 「ま、嘘なんだけどね」 嘘だったの? 人がせっかく頭をフル活動して思い出そうとしていたのに! 「お父さんから聞いてないの?」 「父さんなら半年くらい前から家に帰ってないよ」 いきなり「浪漫を探して来る!」とか戯れ言を吐きながら出ていったよ 「そうなんだ。実は私が来たのは、君のお父さんに頼まれたからなの」
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