会社にて

6/6
44人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
それからなにやら注文した先輩。 料理が運ばれて来るまで 少し話をした。 殆ど私が先輩の愚痴を聞いてた だけだったけど。 あの部長、見かけによらず 人使いが荒いとか 係長は優しいけど セクハラしてくるとか。 それから料理が運ばれて来て 少しお酒を交えたからか 結構な勢いで話す先輩に 私は何とか相打ちをするぐらい? しか対応が出来なかった。 「それでね、唯ちゃんにだって もっと私を見て欲しいの!」 「なっ…いきなり 何を言い出すんですか先輩!?」 「だってだって、唯ちゃん 可愛いから皆狙ってるし… 私に送られる視線には 男の人ばっかりだし… 唯ちゃんへの視線には 女の子なのに………」 「先輩……?酔ってる!?」 「ぅ~ん……むにゃ…」 「えぇっ!?先輩っ!」 もうご飯は食べ終わっていて、 まだ話が続いていた時に。 なんと先輩は眠ってしまった。 寝付くの早い…… 「先輩ってお酒…弱いのかな… 先輩!先輩、起きて下さい! ほら、帰りますよっ!」 「う~ん…唯ちゃーん、すき…」 「ほぇ?……先輩、とにかく 店を出ましょう」 日頃お世話になってるし 少し恩返しになるかなと思って 勘定は私が払った。 今更だが重大な事に気がついた。 私は先輩の家の住所を知らない。 先輩は起きる気配もない。 どうしよう… 先輩の携帯から先輩の家の住所を聞くとか… ??いやでも 人の携帯を勝手に見るのは 流石にまずい。 自分がされたら絶対嫌だし。 ここからなら私のマンションが 近い。歩いて10分かかるぐらい だし、仕方ない…連れていこう… 先輩を支えながら歩くのは 無理がある。 タクシーを拾って 行き先を伝えると走り出した。 「そちらの方はかなり酔われている様ですが、大丈夫ですか?」 少し走ってから、運転手さんが 不意に話しかけてきた。 「いぇ、大丈夫…と思います」 「…そうですか?失礼致しました お二人さんが綺麗なんでつい 気にかかりまして…」 「そんな…私は……」 そういって先輩を見る。 気持ち良さそうに寝ている様に 見えるのに、運転手さんには 酔っ払いというのが 分かるのだろうか…… 「着きましたよ。お二人さん 綺麗だし、少し負けて1000円ね」 お金を払い軽く会釈して 車を降りる。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!