新撰組シナリオ・一人目

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【出会い】 町の甘味屋・千望亭で働きだして、どれくらいたった頃だろう。 〇〇「いらっしゃい!」 客「お!せいがでるね!〇〇ちゃん」 〇〇「おじさんも飽きずによく食べて下さること」 客「言うようになったなー」 女将「〇〇!長崎屋に届け物だよ!」 〇〇「はいっ」 女将「金子は番台さんが月末もってくるから、もらうんじゃないよ!」 〇〇「はい!それでは、行ってまいります」 女将「あいよ」 長崎屋は、千望亭のお得意さんだ。何度も甘味を届けに行っているので、慣れたものだ。 〇〇(近道しよっと) 人通りの多い大通りをさけて、路地を歩く。 〇〇(お客様に名前覚えてもらえてきたな…。嬉しい!明日は、お店にお花を飾ってみようかな…) 物思いに耽りながら、歩いていると…… どんっ 〇〇「!!」 ??「!!」 前から来た何かにぶつかってしまった。 反動で荷物を落としてしまう。 〇〇(長崎屋さんの団子!) 急いで荷物をとろうと身を起こすと、ぶつかった人の足元が見えた。 〇〇(人っ?!謝らなきゃ) 〇〇「あの…すみません、ぼーっとしてしまっていて…」 謝りながら顔をあげると、その人の腰もとに光るものが見える。 〇〇(お…お侍さん……) 全身の血の気がひいていく。 ??「君…」 〇〇(どうしよう!) 唇を結んで、荷物を抱く。 体が震えている。 ??「…怪我はない?」 〇〇「…え?」 想像と異なる優しい調子の声に驚いて、不意に顔をあげる。 〇〇(…うわぁ) すると、そこには光に煌めく金髪の華奢な男が立っていた。 朗らかな笑みを浮かべている。 〇〇(…きれい) ??「ごめんね。僕も空を見ながら歩いてたんだ」 〇〇「いえ!私も…その、お侍様にぶつかるなどとんだ無礼を…」 ??「…!!ふふっ。お侍様だなんて、僕はただの浪人みたいなもんだよ。気にしないで」 〇〇「…でも……」 ??「うーん…。そうだな…。じゃあ、お詫びして!君の所にお団子食べに行ってもいい?」 〇〇「…え?」 ??「その風呂敷の紋、確か千望亭…でしょ?甘味所の」 〇〇「…あ、そ、そうです!」 ??「僕、甘味大好きなんだ。ダメ?」 〇〇「い、いえ!どうぞお越し下さい!」 優「やった!僕の名前は、優。予約、よろしくね」image=440691023.jpg
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