新撰組シナリオ・一人目

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【浪人・優さん】 翌日の午後。 客「〇〇ちゃん、昨日浪人にぶつかったんだって」 〇〇「女将さんにきいたんですか?」 客「私も聞いたわ。よく無事だったわね」 〇〇「ええ、優しい方だったので」 客「良かったよ、本当に。瓦版のこともあるしねぇ」 〇〇「瓦版?昨日のですか?」 客「おうよ!噂の辻斬り騒動だ。なんでも、浪人の仕業ってんだから」 そう言うお客さんに昨日の瓦版を見せてもらう。 そこには、「大魔の辻斬り」という題がおどろおどろしい絵が描かれている。 〇〇「…怖い」 優「うわぁ…本当、怖い絵だね」 〇〇「!!」 優「こんにちは。お言葉に甘えて来ちゃったよ、〇〇ちゃん」 〇〇「優さん!それに、私の名前……」 優「ふふっ。君、人気者なんだね。お客さんが君の名前呼んでたから」 〇〇「…えっと、そちらの席へどうぞ」 優「ありがとう」 優さんを席へ案内する。 〇〇「これ、千望亭のオススメです。昨日は、すみませんでした」 優「いいよ。〇〇ちゃんと出会えたんだし」 〇〇「!?」 優さんは、湯呑みを傾けながら、上目づかいで微笑む。 〇〇(…見とれちゃう…!!) 優「〇〇ちゃん?」 〇〇「は、はいっ」 優「その瓦版……」 〇〇「あ!返さないと!失礼しますっ」 優さんに指摘されて、握ったままだった瓦版を表のお客さんに返しに行く。 〇〇(優さんの笑顔って反則だなぁ) 〇〇「あのコレ、ありがとうございます」 客「おぅ、それは〇〇ちゃんにやるよ。それにしても、さっきのが例の浪人さんかい?」 〇〇「え……ええ」 客「いい男じゃないか」 客「ほんと、役者みたいだねぇ」 客「うまいことやりなよ」 〇〇「え?」 女将「〇〇!」 〇〇「はい!」 ふと触れた自分の頬は、びっくりするほどほてっていた。 客「いやぁ、昨日も出たってよ」 客「怖いねぇ。大魔の辻斬り!」 客「早く捕まって欲しいよ、全く」 優「………っ!」 客の噂を優は苦々しい顔で聞く。 悲しみような怒りのような表情で格子窓の外を眺めて、団子を一つ頬張った。image=440694042.jpg
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