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「さて妖夢、私の持っているこの早苗特製レインボーパンですが!」
「いきなりなんですか幽々子様!?」
うす暗い森の中を歩いて進む二人の少女(?)。
そのうち一人が唐突に声を上げる。
「今この手でしゃもじが反応している博麗神社へのお土産にしたいと思うの!」
「ちょ、その七色に光り輝く不気味なものを霊夢さんに渡すつもりですか!?」
等身大のしゃもじを持って笑っている少女(?)は西行寺 幽々子。
その横で若干引いているのが従者の魂魄 妖夢だ。
「きっと霊夢なら泣いて喜んでくれるわ。
そして私に晩御飯を分けてくれるはずよ。」
「いやいやいや!
さすがにそれはどうでしょう!?
というか幽々子様がそれを食べたくないだけなんじゃないんですか!?」
「そうよ、悪い!?」
「えぇ!? 逆ギレ!?」
因みに幽々子がもう片方の手に持っている1○9の袋の中には、二人が先刻立ち寄った紅魔館からのお土産が入っている。
その中身こそが『早苗特製レインボーパン』である。
紅魔館で一緒に出てきた料理はあの食欲の塊と言ってもいい幽々子をひと口で黙らせた実績を持つ。
恐らく七色の光を放っているこのパンはそれと同等……いやそれ以上かもしれない。
「そういえば早苗ってどっちの早苗なのかしら?」
「へ、あのいきなりどうしたんですか?」
「いえ、瑣末な問題よ。
気にしないで。」
「……?」
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