一・夏の記憶

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長机を2つとパイプ椅子を六脚並べた。 「美味い!やっぱり女の手料理ってのは良いな」 「…三神先輩って何才なんすか?」 「何でその質問になるんだよ?」 「いえ…特に深い意味は」 「君の発言があまりにオヤジくさかったからでしょうね」 ―「ね」の所、俺見て言わないで下さい… 「ちょっと一夜!全然野菜食べてないじゃない」 愛乎が俺の紙皿にレタスやトマトを乗せた。 「…」 俺はトマトが嫌いなのだ。 しかし逆らうと面倒なので、黙って口に運ぶ。 「レオたんも」 睦月は三神先輩を何故かそう呼ぶ。 違和感はあるものの、誰も言及しない。 「睦月、俺は野菜を食わなくても死なない」 そう言って、三神先輩は俺の皿にトマトを… 何度も言うが、俺はトマトが…以下同文。 何だこのくだり。 「先生、何か新ネタないの?」 愛乎が親父に言う。 「うん。今日のネタの前に一つ話しとこうかな」 クレバ先生は涼しげにお茶を飲んでいる。 「戦前からあったとある製薬会社が、奇妙な実験をしていた」 「お、あれか…」 三神先輩が、愉快そうに頷いた。
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