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「その研究所では『生命の永久機関化』つまり、不老不死の研究がされていたと 言うんだ」
睦月が手を挙げる。まるで授業中の風景だ。
「睦月君」
親父は、講義の時のように指した。
「永久機関て、エマエンジンの事ですか?」
エマエンジン…どこかで聞いた気がする。
「うん。自家発電で永久的に動くシステムだ」
「それを、人間に…ってこと?可能なの?」
愛乎は訝し気に聞いた。
「方法はいくつかあるさ。ただ、理論上は可能でも難しいだろうな。倫理的な問題もあるしね」
「方法は色々あると仰いましたね。御蔵教授…個人としてはどんな方法を思いつかれましたか?」
サラリと流暢な日本語で、クレバー先生が聞く。
顔立ちが整っているから尚更、様になると言うか…
妙な威圧感がある。
「僕のような凡人にも思いつく方法なんて、とっくに実験済みだと思うけど…」
「ご謙遜を。聞きたいだけですから、何でも構いませんよ」
クレバー先生は普段穏やかだが、時折辛辣だ。
学内の討論会に出た時など、完膚なきまでに相手を言い負かしていた。
声を荒げるでもなく、ただ淡々と理論立てて自分の意見を述べる。
無論相手の間違いなど見逃さず追及し、逃げ場をなくすのだ。
それで大抵の人間は気圧され、戦意を喪失してしまう。
対等に張り合えるのは同じく理詰めの人間か、そう言った理論の通じない相手だ。
例えば、三神先輩のような…豪放磊落なタイプ。
俺は、横目で三神先輩を見た。
「何だよ?」
「いえ、別に…」
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