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「そうだなぁ…」
親父は、少し考えてから言った。
「トカゲのしっぽ切り。トカゲのしっぽって切れてもまた再生するだろう?」
「うん」
愛乎は興味深々に頷いた。
「あの遺伝子構造を、人間にも適用できないか研究するとか」
「なるほど。しかし人間には、脳や臓器など…数分でも欠けると、生命活動に支障を来す部位がありますからね」
「まあ、そこは素人の考えだと言う事で」
親父は肩をすくめた。
「…脱線してすみませんでした。続きをどうぞ」
クレバー先生は微笑んだ。
「ははっ、ご満足頂けたのかな」
親父は笑って続けた。
「その研究所は一つではなく、日本各地にあったらしい。正確には勿論分からないが…13と言う説が最も多いね」
みんな黙って聞いている。
「そして、とある製薬会社と言うのが…御堂製薬。昭和初期からあって、戦時中に世から姿を消したんだ」
「有名な製薬会社だったのか?」
俺は聞いた。
「ああ、愛乎君や睦月君のお祖父さんお祖母さんなら、ご存知かも知れないよ」
「へえ…聞いてみようかな」
愛乎は呟いた。
「そうするといい。その御堂製薬が、研究所で行っていた『生命の永久機関化』様々な人体実験がされていたらしい」
人体実験…俺は何だか、胸のあたりがざわついた。
吐き気がする。何かこみ上げて来そうで、紙コップに残っていた炭酸飲料を飲み干す。
炭酸が抜けて甘ったるい味が、少し不快だった。
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