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服を着てキッチンへと向かう。
そしてオーブンを開けると……
いい色のしたクッキーが
出来上がっていた。
「よし、先輩を
起こしに行こうかな」
クッキーをお皿にのせて準備万端
よし。「あ、そうだ…お水も
持ってったほうがいいかも…」
お盆にクッキーの皿と
水の入ったコップをのせ、
寝室へ向かった。
・・・・美咲(先輩)視点・・・・
夢を見ている…のかしら…?
私は…?
これは…確か子供の頃の夢……
でも…何でだろう……
私って…そういえば、
小学校の時転校したんだっけ…
クラスの中心でもなかった私は、
友達も少なくて、悲しんでくれる人は少なかった。
当然の様にお別れ会などなく、
私の家でそのたった数人だけで
お別れ会をして。いっぱい
泣いてくれたのが嬉しくて、
私もいっぱい泣いたんだっけ…
忘れていた記憶が走馬灯の様に
夢の中でぐるぐると回っている
転校した当日は…クラスに
なかなかとけこめなくて
一人泣いてたな…
私って泣き虫だったのかしら
そして既に出来ていた友達の輪に
入る事も出来ず佇んでいた私に
声をかけてくれた一人の…
後輩。顔と名前が思い出せなかったけど
こんな私を変えてくれた
大切な、"友達"だった…?
1年しか年が違わなかったからか
すぐ打ち解けて仲の良い姉妹って
感じだった。
その子とは中学も一緒だったけど見事に3年間クラスが合わなくて
学校での接点がないまま、卒業。
私は東京にある高校へ行く為に
上京したから気まずい別れ方に
なってしまったんだったな……
その子に、私の気持ち、
伝えておけばよかった…
そこで夢は終わり、透き通った
誰かの声が聞こえる。
「…!ぱい!先輩!」
「ぅ、う~ん…あと少し…」
「ちょっとっ!先輩!
起きて下さいっ!」
誰かに身体を揺すられ、
うっすらと目を開けると…
可愛い後輩の顔が見えた。
眉をハの字にして、困ってる様子
あれ…?唯ちゃんに?
住所教えたっけ……?
まぁいいやぁ…本当に唯ちゃん
可愛いなぁ…あはは、ちょっと
顔が赤くなってる
「先輩…あんまり?
じっとみないで下さい…
恥ずかしいです…」
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