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「っさみーな。真理奈そんな格好で寒くないのか?」
久しぶりに会う裕也は
手に息をかけながら
寒そうに歩いてきた。
「おっと、真理奈元気ないな」
下を向いて黙っている私の顔を
覗き込みながら話しかける。
「まーりーな」
「……」
「彼氏となんかあったのか?」
裕也の口から出た
『彼氏』という言葉を聞いて
複雑な気持ちになった。
私は何も言わず
目の前にいる裕也に抱きついた。
裕也はそんな私を
黙って受け止め
優しく頭を撫でながら
ぎゅっと抱きしめた。
「ねぇ裕也」
「どうした?」
「私、裕也が…」
「うん」
「裕也が大好き…」
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