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奏海「うきゃあぁぁぁぁ!!」
瀞霊廷にこだまする声。
それとともに響く、2人分の走る足音。
声の主、中桐奏海は十四番隊隊長である。
何かから逃げるように走る奏海を追いかけるもう1つの足音は、ドドドドーッとものすごい速さだ。
巧「止まりなさいッッッ!!」
脱兎のごとく走る奏海を追いかけるのは同隊副隊長の五十鈴巧であった。
奏海「…うわっ!!」
建物の角を曲がったところで何かにぶつかり、奏海は尻餅をついた。
奏海「ったぁー…」
追い付いた巧は奏海に手を貸し、立ち上がらせた。
巧「…ったく、人騒がせな…。
まずは謝りなさい」
ぶつかった相手は足を捻ったのか、同じく尻餅をついた状態で足首をさすっていた。
奏海「ごめんなさい、前を見てなくて…ってなんだ、日番谷か」
日番谷「なんだとはなんだ…」
十番隊隊長日番谷冬獅郎は立ち上がると奏海と巧を見てため息をついた。
日番谷「今度はなにをやらかしたんだ…」
巧「隊長が隊士の修行に付き合っていたのですが、調子にのって隊舎の一部をぶち壊したんです」
それを聞いて、日番谷はさらに深いため息をついた。
日番谷「…アホ」
奏海「違うっ!あれは調子にのったんじゃなくて…!!」
巧「隊士の出来が良かったからもっと訓練してやろうと思ってやったら力配分を間違えた、それの違いますか!?」
奏海「う…っ」
言い訳できないところを見ると図星のようだ。
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