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誰もいない綺麗な川辺に辿り着き、息を整えながら土方を見る。
予想どうり、物凄い顔つきで僕を睨んでいた。
土方「てめぇ、やっぱり長州の間者か!」
腰の刀に手をかけようとするが、その前に刀を奪い取る。
夢「はぁはぁ、そんなんじゃないです。土方さんが僕の正体を知りたいと言ったんでしょう?」
僕は、少しイライラしながら言う。
土方はびっくりしながらも真剣な顔をした。
土方「聞いてやるから、そんな顔すんな」
ぶっきらぼうに言った言葉の中に優しさが滲み出ていて、その言葉を聞いて自分がどんな顔をしているのか気づいた。
息を整え、土方を真っ直ぐと見つめ口を開く。
夢「まず、屯所から出た理由は、土方さん以外に聞かれたくなかったから。
そして僕は、148年も前の時代から来た。」
一旦言葉を止め、土方の様子を伺う。
土方はびっくりした様な顔で僕を見た。
土方「気でもふれたか?」
怪訝そうな顔で聞かれ、少し傷ついたが話を進めるため、淡々と言う。
夢「これは真実。でも、いきなり言われても信じられるわけがない。只、僕の話を聞くうえで頭の隅においてほしい。
僕は、藍川 夢。正確な年齢は18歳。一応女。
家族構成は父と母、妹が1人の4人家族。
何故この時代に来てしまったか分からないが、誰かに背中を押され僕は大きな鉄の乗り物に轢かれて死んだ。
死んだはずだったんだ。でも、起きてみれば森の中で・・・。
混乱しながらも男に絡まれていた女の子を助け、
男物の着物を借り、
この時代で知っていた唯一の壬生浪士組に来たって訳。
信じてくれなくても良い。ただ、何も知らないよりはましでしょ。」
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