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「ん…」
ベット脇の窓から雨音が聞こえる。
雨音に起こされた俺は、時間を見ようと携帯を探すため右手を頭の上に伸ばし漁ってみるが、ビールの空き缶が邪魔をする。
「…くそっ」
軽く舌打ちをし寒さに堪えながら起き上がり、洗面台へ向かう。
鏡に写る俺の顔は昨夜のやけ飲みのせいかパンパンに腫れていて、不機嫌そうな表情を覗かせる。
ふと鏡台の横に置いてある小さな置時計を見ると、時間は11時30分を指していた。
「…なんでこうなったんだ…」
時計を見つめながら ボーッとすると昨日のことが過ってしまう。
(考えるのはよそう…)
鏡から顔を背け、蛇口をひねり勢いよく顔を洗う。
手は真っ赤になり水の冷たさを物語っている。
キュッ…
タオルで顔をふきベッドに座り込むと、足下に小さな箱が無造作に落ちていているのが視界にはいる。
徐にその箱を手に取り、思わず力が入り箱が歪む。
嫌でも思い出してしまう自分が嫌になった。
…昨日失恋した事を…
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