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そんな他愛のない話をしているうちに学校に着いた。
教室に入るとまだ3人しか居なく、暇そうにしていた。
俺たちもそれぞれの席に座り、鞄から勉強道具を取り出し、黙々と勉強をしだした。
こう見えても俺と深雪は頭がいい。この学校に来れたのも、5つある学力特待生枠のなかに滑り込めたからだ。
シスターがこの学校に入れてくれたのはこの条件があったからこそだ。
俺たちが勉強をしているうちに人が増えてきていた。
そんななか、歩み寄ってくる影に気付き顔をあげる。
「おはよー、たくとみゆちゃん! 相変わらず外見優等生ぶりだことで」
「おはようございます、夏海さん。」
「おはよう。そういうお前は相変わらず問題児ぶりだことで」
明るい茶髪、不思議と不潔さを感じさせない化粧の彼女、砂畑夏海は遅刻しなかっただけいいのいいのと軽く受け流し、わざわざ俺の机に腰掛けてくる。
尻向けんな、尻。誘ってんのか?
などとは口に出してはいないが深雪のジト目を見る限り、バレていたようだ。
「まあ、見た目でならたくも負けず劣らず不良面だけどね」
「……、ほっとけ」
――今日も平凡な1日になりそうだ。
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