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その後も、電車ではすぐに座れたし、会社までは信号に一つも引っ掛かることなく来た。
エレベーターも使う人がいなかったのか、俺を待っていたかのようにボタンを押すと同時に扉が開いた。
28と書かれたボタンを押す。
『扉が閉まります』
「わ~っ!ちょっと待って!」
「ええっ!?」
閉まりかけたエレベーターの扉に無理矢理、身体をねじこませてきた男がいた。
「うわっマジセーフ…あ、諒ちゃんおはよ」
男は、にこやかに俺に向かって手を挙げる。
その顔を見て、俺は頭を抱えた。
「佐倉~…お前、部長とかだったらどうすんだよ…」
「へーきへーき!だって諒ちゃんって知っててやったんだもん」
「へー…はぁ!?」
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