ひかやぶ

2/3

219人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
ガラガラ… 「お、ひかる!」 「ひかる、おはよー」 「やおとめ、おはよっ」 朝、クラスに入ると 飛んでくるみんなの声。 八「はよっ」 その声に応えて俺は席につく。 いちばん後ろの真ん中 一番クラスを見渡せる この席は俺の特等席。 伊「ひかる、昨日さー」 親友のいのちゃんの話を 聞いてるふりして (どうせ彼女の自慢だから) 俺は窓際に目をやる。 窓際、後ろから二番目の席 薮、っていう くそ真面目な奴が座ってる。 成績はいつもトップ いちばん早く来て いちばん遅く教室を出るし 日直の仕事を 毎日ほとんど一人でして クラスのやつと話すことは ほとんどない そんなやつ。 だから、クラスのやつも みんな薮には話しかけない。 逆に気味悪がってる。 でも俺は性格上、 全員と仲良くなりたくて タイミングを探し続けて 早、10ヵ月 八「早くしないと卒業だああ(泣)」 伊「いきなり声でかすぎ!」 -
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加