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影の大きさからしても男の大きさでは無かった。危害がなさそうだと胸を撫で下ろした瞬間チャイムの連打がはじまった。
「夜中にうるさい!!」
思わずツッコミを入れながらドアを開けてしまった。無用心この上無い。
開けたドアの向こうには髪をポニーテールに束ねた少し身長の低い女の子が立っていた。
端正な顔立ちの女の子。身長と比べアンバランスな感じがあり、一目見ただけでは年齢は判別出来ない。
思わずその端正な顔立ちに見とれてしまった。その表情は…暗くて解りにくいが確実に怒っていらっしゃいます。
「え~……」
「…………」
その女の子は手を腰に当てたままビクともしない。
「…ど、どちらさま…ですか?」
「………」
返事はなかった。ただお怒りの表情は消える事はなかった。
「…あの~…」
何を聞いていいのか、あまりにも突然の出来事で言葉が続かない。何を聞けばいいのか?何をすればいいのか?パニック状態に陥っていると、ようやくその女の子が声を発した。
「…あんた、こんな寒空の中で女の子をいつまで外に出しておくつもりなの!?」
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