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コンビニからどれだけ走っただろう。寒さも忘れるどころか逆に暑くなってるぐらいだ。脂汗から本当の汗に替わっている。
「あぁ~あそこは周りを見てからレジに行くべきだったな…焦って弁当も置いてきたし、今日は買い置きのカップ麺でいいか…」
反省しつつ、もう他の店に寄る気力も無くなっていた。全力で逃げ出した事で体力も使い果たした。
「気力体力の限界です!!」
自信満々にどこかの力士の引退会見をパクる。
「早く帰ろう。これ以上何かあったら倒れそうだ」
現に今まで何回か…いや何回も気を失う事はあったのである。
近年では、警戒心が強くなったせいか頻繁に気を失う事は無くなったが…それにしても我ながらチキンだ…
半径3m以内に女性が居ると血の気が退き、肌が触れると限界に達する。おかげさまで年齢=彼女居ない歴。おぞましい経歴になりつつあるのであった。
だからといってBLには走ってはいない!!年齢なりに女性には興味は十分過ぎるほどありますよ。
…だが、この弱点がある限り彼女なんて夢なのか…
汗も退き体温も下がり身も心も病んだ俺は、そんな切ない事を考えながら家に向かっていた。
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