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今回のロボットの機種は“ME-488”
ガラスケースに入っていたのは、同年代くらいの少女の容姿をしたロボットだった。
「起動させるぞ」
祖父がそういえばなんとなく、なんとなくその場にいた研究員たちの空気がはりつめた気がした。
ガコンッと壊れたのではないかという音が鳴り、ロボットは瞳を開け、起き上がった。
「できた…できたぞ…不死身の“人間”が…!」
祖父は泣いていた。
“人間”?
馬鹿言うな、所詮はロボットだ。
いったい何を言って―
「おはようございます。お祖父様。作ってくださり、ありがとうございます」
ロボットは起き上がり祖父を見てやわらかく微笑みながらそう言った。
その言葉や声はカタコトロボット言葉でも、録音された声でもなく自然なものだった。
おもわず“人間”だと錯覚してしまうほどに―…
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