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「貴方の怒りはもっともです、ですが人間にも人ならざる者にも愛があり友愛があります、今人を滅ぼすというならばまずは私を滅ぼしください!!」
王は眼を細める。
「クズ共の為に矮小なる身をさらけ出すか・・・、よかろう、女よ、貴様は気高く美しい、本来なればこの世界七度壊そうとも心晴れぬが・・・」
王はシスターに口づけを落とす。
「女よ、貴様はこれより我のものだ、貴様が言う人間というものを我に見せるがいい・・・、これより破壊をやめ、我は人として生きる事としよう、女よ、貴様はこれより我の妻となれ、もし貴様が言う人間が愚かならば・・・」
「ええ、その時は・・・貴方様の心のままに・・・、私は貴方を夫としましょう」
「よろしい、契約は成立した、我は・・・いや僕はが好ましいか、僕の部下に終戦を言い渡すこととしよう、僕の名前はトグサ、君の名前は?」
「私はマリア、言い方を変えるだけで変わるんですね」
「それは当たり前の話だよ、言い方さえ変えれば人は容易く態度を変える、マリア、君は美しく聡明だが、僕が手を下さなくとも、僕以外の誰かが手を下していた、今回は僕が彼らに話を通そう・・・、今回の戦争はこれでおしまいだ」
「わかりましたわ、貴方が見る世界は決して憎むべきものではないことを教えて差し上げます・・・、よろしくお願いいたします、紅い眼の王よ」
マリアは静かに微笑む。王も凛とした紅い瞳を彼女に向け静かに笑った。
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