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……どのくらい走ったかはわからないが、光はいつの間にかまた小さくなっていた。
(それにしても、あの光は何なのかしら?すごく嫌な感じがしたけど……)
叶がそう考えていると、いつの間に現れたのかはわからないが、青白い炎が目の前に突然飛び込んできた。
そして……
「おーい、見つけたぞー!」
と、誰かの声がした。
叶が何事かと思っていると、周囲が少しずつ明るくなってきた。
そして、叶の周りには大勢の人間が。
それら全員が男性だったため、叶の脳裏にこれから自分がされるであろう行動が浮かび上がる。
叶が僅かながら震えていると、男達の中の一人が叶の方へ近付いて来た。
叶より少し年上に見える、ちょっと目つきがきつい男だった。
その男は叶を自分の方へ引き寄せた。
そして
「ほぉ…、これが“精霊の花嫁”か。それなりに顔は整ってるじゃねぇか」
そう言いながら叶の顔をじろじろ見つめた。
見た所周りの男達は日本人には見えなかったが、男の言葉は日本語だった。
叶は不思議に思いながらも
「あ、あの…。あなた達はいったい?」
と言うと、
「詳しい話は後だ。帝国の連中がこっちへ来る」
と、男が言うと同時に周りにいた男達が明かりの元らしいものを消しはじめた。
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