4人が本棚に入れています
本棚に追加
叶がそうつぶやくと、隣から声がしてきた。
「大丈夫か?なんだかうなされていたようだが…」
声の主はタスクだった。
「…えぇ。夢見が悪かっただけだから……」
タスクは少し元気の無い叶を見て
「お前、風呂にでも入って来いよ。汗でびっしょりしてて、気持ち悪いだろ?」
と言った。
叶はしばらく考えて、
「じゃあ…そうさせてもらおうかしら」
と答えた。
そこで、タスクはふと何かを思いだしたように
「そういやぁ、まだ名前を聞いてなかったな。オレはタスク・オーウェン。タスクで良い。お前は?」
と、自己紹介をしてきた。
「叶…。秋月叶」
そう答えると
「へぇ、なかなか良い名前じゃねぇか」
と言って、タスクは少し微笑んだ。
そして
「さ、風呂だったな。こっちだ、ついて来い」
そう言って、叶の手を引いて家の外へ連れ出した。
一歩家の外へ出ると、そこは石の芸術品で溢れかえっていた。
家という家は全て岩をくり抜いて作られていて、表面は綺麗に磨かれている。
さすがにドアは木製だったが。
.
最初のコメントを投稿しよう!