カタリ

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叶の目に、美しい彫刻に彩れた噴水が見えた。 (なんて綺麗な噴水……) 叶が噴水に見とれていると 「それは“アイトの噴水”と言うんです」 と、後ろから声をかけられた。 振り返ってみると、いつの間にか一人の男性が立っていた。 左目に眼帯をしていて、長くさらりとした銀髪を一つにしばっている。 「“アイトの噴水”?」 「えぇ。“アイト”とは“知恵ある者”という意味を表す言葉で、主に賢者に使われる我々独自の言葉なんです」 「へぇ―。じゃあ、いわゆる“賢者の噴水”ですね。あ、でも何故そう呼ばれてるんですか?」 叶がそう質問した時、 「何やってんだ?早くしないと置いて行くぞ?」 タスクが叶の方へと戻って来た。 そして、叶と一緒にいる男性を見て 「長!何でこんな所にいるんですか!?あまり外に出てはいけないでしょう?」 と、聞いている方が驚くほどの大声を出してびっくりした。 “長”と呼ばれた男性はあっさりと、 「一度、何の情報も無い内に会っておきたかったんです。“精霊の花嫁”とはどのような者なのかをね」 ニッコリと微笑んで言った。 .
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