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長の名は、クレイ・バルモアというらしい。
“らしい”というのは本人から聞いたのではなく、風呂へと行く間タスクから聞いたのだ。
(あの後、すぐに叶とクレイは別れた。長は本来なるべく外へ出てはいけないらしい)
そして、タスクに連れられて叶は銭湯のような所へやって来た。
「ここが……お風呂なの?」
不思議そうに叶が言った。
が、それは無理もなかった。
煙突と暖簾のマークでかろうじて風呂だと認識できるドーム型の建物。
それが叶の目の前にどっしりと建っていた。
「あぁ、そうだ。急がないと式が始まっちまうぞ」
そう言いながらタスクは叶を建物の中へ引きずり込んだ。
建物の外観は白く清潔感に溢れていて、さっぱりした感じがしていた。
しかし、そう感じたのもつかの間。
建物の中へ一歩足を踏み入れると、正面に日本語で『ついに現れた!精霊の花嫁が我々の元に!!』と書かれた幕のようなものが豪華な花細工と共にあった。
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