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この時、計斗はこんなことを考えていた。
内心、計斗は高木が苦手である。
しかし、嫌悪感などがあるかと言われれば決してそうではない。
ただ、面倒くさいのである。
高木はお人好しである。そのため、普段誰とも話さない計斗が心配でしょうがないのだ。
計斗にもそれは分かっている。だから彼と距離を離しづらいのである。
そんなことを考えながら歩いていた計斗は、目の前に女生徒がいることに気づかず、激突した。
その衝撃でその女生徒が手に持っていたノートが地面に落ちた。
『あ・・・・すいません・・・・』
計斗は床にしゃがみ、落ちたノートを拾った。
それから計斗は立ち上がり、女生徒に渡した。
真新しい制服に身を包んだ女生徒は、とても端正な顔立ちをしていた。
襟元の学年証を確認し、彼女が一年生だとわかる。
『ごめん、余所見してたから・・・・』
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