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女生徒の長い栗色の髪が、春風になびく。
彼女は計斗を見て、少し驚いているようだった。
『・・・・あの、僕に何か?』
すると女生徒は穏やかな表情に変わり、計斗の質問に答えた。
『いえ・・・・なんでもありません。こちらこそ、ぼーっと突っ立っていたのですみません。では、失礼します』
彼女はこちらに背を向けて、校舎の方へと歩いていった。
『け・・・・・・・・けけけけけけ計斗ぉ』
高木がおぼつかない口で必死に言葉を紡ごうとしている。
『どうしたの高木?さっきのコがタイプだったの?』
『計斗!?お前知らねぇのかあ!!!?』
高木が計斗の両肩を掴んで言った。
『な・・・・何がさ?』
『さっきのコはな・・・・伊戸崎 桜(いとざきさくら)って言って、俺が独自のルートで手に入れた[イチオシ新入生(別冊)]で圧倒的人気だったコだぞ!?』
『・・・・伊戸崎・・・・桜・・・・か』
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