泡になる人魚の伝説

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「うぅ……」 「ただいま戻りました~」 「おう、お帰り……ってシャオはどうしたんだ?」 半分泣きのシャオと相変わらずの軽い言動で宮殿の一室に入ってきた二人にこの国の王クロノスは驚いた様に声を掛けてきた。 「ちょーっとからかい過ぎまして」 「あー……程々にな」 サァラブの言葉に色々察したのか苦笑いをするクロノス。 シャオは余計に落ち込んでいた。 「で、長期任務ご苦労だったなサァラブ」 「ホントホント~オレっち疲れましたよ~……」 一国の王に対しての言動とは思えないが当のクロノスは気にした風もなく、声を上げて笑っていた。 「はははっ……で? 成果は?」 ここでクロノスの纏う空気が変わった事に気付いたシャオが退室しようと後ろへ下がる。 こういう大事な話をする時は大抵、退室する様に言われるからだ。 自分も知りたいがそこは役割が違う。 シャオはあくまでもクロノスの身の回りをお世話するのが役割。 身の程は弁えないといけない。 「では自分は失礼しま」 「待て。 お前にも聞きたい事がある」 だから止められた事に対して酷く驚いた。
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