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だが、その事は顔に出さずに言われるままにその場に留まる。
内心はビクビクしていたが何とか顔には出ずに済んだ。
「自分に一体何か?」
「いや、お前の方が詳しいかと思ってな……サァラブ」
「はいはーい。
んじゃ、説明するから良く聞いてねー」
クロノスは椅子に腰掛け笑顔を浮かべているサァラブに目線で説明を促す。
それに軽い言動で応じ彼はシャオに向き直った。
「実はねシャオの一族“水の民”の密漁が多くてね、調べてたんだ~。
んでね、どーにも水の民が流す“蒼の涙”が目的らしいんだよね~」
シャオは元々は“水の民”という夏の海の温暖な海域に住む深海魚。
普通の魚とは違って体には“蒼い石”が着いている。
そして“水の民”が流す涙は“蒼の涙”と言われて恋が叶うやら何やら逸話があるのだ。
「確かに“蒼の涙”は希少価値も高く宝石でも高値で取り引きをされ密漁が多い……だから法を作ったんだがな……」
確かに王様が法を作られてから密漁が激減したなぁ。
あの時は嬉しさのあまり大泣きしていたっけな。
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