泡になる人魚の伝説

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サァラブが長期任務に入る前に一度だけ会ったのだが、 『オレっちいないから一人で街に行ったらダメだよ?』 『なっ、子供扱いすんなし! お前こそ任務でヘマして王様に迷惑かけるなよ!』 『はいは~い』 そう言って彼が任務に出て1ヶ月。 最初は宮殿にいる兵士さんと出ていたが道順も覚えてきたので一人で出た結果が、 「はぁ……」 大変残念な結果なのであった。 どうやら俺は“ほうこうおんち”(サァラブが言ってた)というものらしい。 自分の不甲斐なさに悲しくなっていると、 「わっ?!」 「うぉっ?!」 人にぶつかった。 しかも顔が怖い人に。 「す、すいませ」 「いってぇなゴラァッ!!」 慌てて謝ろうとしたら顔の怖い人がいきなり怒鳴った。 「ざけんなよ!! ちゃんと───」 怒鳴り散らす男に体が竦み動けない。 何やら言っているが混乱している頭では理解出来ないでいた。 「聞いてんのかッ?!」 あ、殴られる。 左手首にある腕輪が熱くなっていく。 そして腕を振り上げた男に咄嗟に目を閉、 「ぎゃあっ?!」 「こっちだ!!」
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