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一応自分の方が年上で大人なのだが何故かルカ君の方が大人に見える。
子供特有の“らしさ”というのがあまり感じられない。
元来そういう性格なのか、それとも、そうならなければならない状況だったのかは知らないが。
恐らくルカ君は両方だと思うけど。
とてもしっかりして賢い。
「全く……宮殿の近くまで案内するから着いて来なよ」
「わっ、待って!」
そう言って歩きだすルカ君に慌てて着いていったのであった。
少し歩くと先程ルカ君の言っていた大通りに出て目の前には白い宮殿が見える。
段々夕日色に染まっていく白い街並みには人はまだ沢山いた。
きっと夕飯の買い物をしているのだろう。
「あ、そうだ」
「ん?」
二人並んで歩いていると隣にいるルカ君が思い出した様に口を開いた。
「アンタとこの王様に伝えといて欲しい事があるんだけど」
「王様に?」
ルカ君は頷きながら、
「冬の国に住む赤い──」
「あっれ~?
ルカにシャオじゃん」
言おうとしたらそれを遮る様にとある人物が現れた。
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