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高校総体当日、私、岩倉瑠花【いわくら るか】は、
親友の花桜が出場するってことで日曜日に、
わざわざ制服に袖を通して会場に顔を出した。
花桜が出てる間の試合は応援して、
いなくなったら携帯電話を触る繰り返し。
花桜の優勝でその試合が
終わったころは、すでに夕方。
親友が着替えを済ませて重たい荷物を持って
顔を見せたのは、その後。
「お疲れ」
にっこり笑って微笑みかけた私。
花桜の隣には花桜の友達、
加賀 舞【かがまい】が姿を見せる。
舞はフローシアではなくて、
他校の生徒なんだけど小さい時から、
花桜のお祖父ちゃんの道場に入門してて、
花桜とは幼馴染。
花桜の家に、小さい時から遊びに行ってた
私にとっても大切な友達。
そんな二人が全国大会で戦って、
一位と二位になった。
「有難う、瑠花。
応援来てくれてたんだ」
「うん。
花桜も舞も凄すぎるよ。
二人のお祝いしなきゃ。
寄り道できるでしょ。
今日、奢るよ。
ケーキでも食べに行こうよ」
二人を
誘って会場を後にする。
三人で歩き始めて数分後。
突然の激しい雨。
雷が轟【とどろき】、
空に閃光が走り……割れた……。
その光に飲み込まれながら、
私たちは意識を失った。
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