3.真っ白な世界 

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次に目が覚めたときも、 同じ布団の中で寝かされていた。 文机に向かって何かをしてる 背中に気が付いて、 ゆっくりと体を起こした。 「気が付いた?    まだ横になってる方がいいよ」 その人は、分厚い本をゆっくりと閉じて 立ちあがると、私の方へとやってきた。 さっき来てくれた人とは違うみたい……。 「晋作から聞いたよ。  名前……思い出せないの?」 晋作? 名前? 何……。 「あぁ、晋作って言うのはさっき会ったよね。  高杉晋作。    近所の海岸に打ち上げられてた  君を助けて連れて帰った。  僕は……義助」 その人は、ゆっくりとした口調で 私の身に起きた出来事を教えてくれた。 「義助さん……」 「そう……。    君は記憶を失ってしまったんだね」 記憶……? 私は失ってしまったの? 「久坂、入るぞ。  女子は気がついたか?」 再び襖が開いて姿を見せたのは 義助さんが晋作と呼んだ人。
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